株式投資する投資先の選び方(財務諸表・貸借対照表編)

今回は投資先となる企業(銘柄)の選び方から財務諸表・貸借対照表編と題して、企業分析をする際に重要な財務諸表における貸借対照表についてまとめていきます。

前回は損益計算書(P/L)についてまとめていきました。
損益計算書は売上や利益など分かりやすい科目が並ぶので会社の財政状況についてイメージしやすいです。
一方、貸借対照表を一言で言うと「会社の資産と負債」が一目でわかる財務諸表です。

とはいえ、この資産と負債の関係性、また一口に資産といっても自己資産(資本)と他人資本があることなどから分かりづらいイメージもあります。

株式投資する上で投資先となる企業の貸借対照表を確認することも必須事項。
今回は貸借対照表についてまとめていきます。

貸借対照表(B/S)

貸借対照表とは企業の資産と負債の状況を集計した書類です。
「Balance Sheet」の略称であることから「B/S(ビーエス)」と呼ばれることも多いです。

貸借対照表は必ず左右に分かれており、一般的には左側に資産の運用形態を示す「資産の部」が、右側に資本の調達元である「負債の部」「資本の部」が記載されます。
そして左右の最終的な集計値が必ず一致することからバランスシート(左右で均衡が保たれている)と呼ばれているようです。

では、実際に貸借対照表の中でも株式投資において重要となる科目をみていきましょう。

現金・預金

資産の部(左側)の流動資産にあたる「現金・預金」。
その名の通り、その時点で会社の銀行口座もしくは現金としていくらあるかの数値となります。
言い替えると「今すぐ使えるお金」と言えます。

企業は大きくなればなるほど資産の形が変化します。
会社経営をしたことがないとピンと来ないかもしれませんが、代表的な例が株式や不動産(建物)、車両などです。
こうした資産は流動資産の下に別枠で「固定資産」として記載されます。
固定資産のメリットは現金などの流動資産に比べて安定稼働することです。
一方すぐに売却したり現金化できないデメリットもあるため、それこそ新型コロナウイルスのような突発的なアクシデントがあった際に身動きが取りづらくなります。

そういった意味で現金・預金がある程度確保できている企業は万が一の時に対処しやすい企業と言えます。
「ある程度」の目安は少なくとも売上の2~3か月分、業種によっては6ヶ月分は最低でも確保しておいてほしいところです。
それが会社経営において最低限のラインとも言われています。

他にも色々な項目がありますが、私自身は資産の部では現金・預金の比率や前年度との増減比をよくみています。

短期借入金

今度は右側、負債の部において流動負債の枠に入るのが短期借入金
その名の通り短期的な借入金の数値となります。

一般的には1年以内に返済が予定される借入金が短期借入金に該当します。

株式投資においては短期借入金がどのくらいあり、それが前年度と比べて増減があるのかをチェックします。

長期借入金

こちらも負債の部で、固定負債の枠に入る長期借入金
その名の通り長期的な借入金の数値。一般的には1年を超える借入金で、多くの場合は金融機関からの融資が該当します。

ここでも単純に借入金の金額が多いか少ないかだけで見るのではなく、資産との割合でどの程度、企業が使える資金のうち借入金が占めているのかを分析するのが重要です。

繰越利益剰余金

貸借対照表の右下、純資産の部において株式資本の枠に入るのが繰越利益剰余金
その名の通り、これまでに繰り越してきた利益(もしくは損失)の金額が該当します。

その企業がこれまでに積み重ねてきた利益のことで、毎年順調に利益をあげていれば繰越利益剰余金も増加していきます。
つまり儲かっている企業ということで、ここから配当金が出るため株主にも恩恵があります。

一方、赤字が続いていたり赤字と黒字を行ったり来たりしている企業は繰越利益剰余金がなかなか積みあがっていきません。

とはいえ、繰越利益剰余金はあるに越したことはありませんが、その企業の成長フェーズや事業規模などによっても異なります。

前年比で比較するのがオススメ

貸借対照表には様々な科目が記載されていますが、私たち投資家は企業の財務健全性を判断するために活用します。

そういった意味で、実はそこまで細かい科目を見る必要は無く、経営において重要な現金と借り入れの状況が分かればまずはOKです。
もちろん業種によって在庫の状況を示す「棚卸資産」の増減をみてもいいでしょう。
あるいは現金が少なくて建物、土地、車両などが多い場合は万が一の時に影響を受ける可能性がある、といったリスクを知ることもできます。

とはいえ、まずは現金とそれに近い売掛金くらいをみておき、それに対して借入金など他人資本が多過ぎないかをみてみると概ねその企業の安全性が分かります。

他人資本が多い企業はリスクが高いと言えますが、グループ会社の場合は他人資本に頼らざるを得ないため、そのグループ会社や親会社の状況をチェックすることも重要です。

逆に自己資本が多い企業は自社だけで会社経営がうまく回っている証拠なので株式投資はしやすい企業と言えます。ただし成長性があるかどうかなどの確認は必要です。

いずれにしても重要なことは絶対的な数値(金額)で比較するのではなく、その企業自身の過去と現在を比較して増減の傾向を分析していくと企業の状況が見えてくるはずです。

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