株式投資する投資先の選び方(指標編)

今回は投資先となる企業(銘柄)の選び方から指標編と題して、企業選定に活用できる指標をまとめていきます。

今回ピックアップした指標は代表的なもので、株式投資に関する情報においてよく出てくるものです。
ここで重要なことは、ただ知識として覚えておくことよりも、実際に投資先を選ぶ際に指標をどう読み取るかです。
ややもすると指標の数値だけが独り歩きしてしまい、「この数値ではダメ」といった判断に陥りがちです。

もちろん私自身にも言えることですが、指標はあくまでも指標。
指標をどう読み取り、どう判断するかは企業の状況によっても違います。
何より投資家それぞれの考え方や知識・経験によっても異なります。

こうした前提で投資先を選ぶ際に活用できる代表的な指標をまとめていきます。

株価の割安・割高度をみる指標

まずは現在の株価が割安なのか割高なのかを判断する指標を3つピックアップします。

PBR

PBRとは株価純資産倍率のことで「Price Book-value Ratio」の略称です。

PBRは現在の株価の割安度(割高度)を判断する指標です。
具体的には資産価値(解散価値)に対して割高か割安かを判断する指標として活用されています。

PBRの倍率はたいてい銘柄情報を見れば掲載されていますが、自分で計算することができます。

PBR=株価÷1株あたりの純資産
※1株あたりの純資産=純資産÷発行株式数

PBRはあくまでも理論上の数値ではありますが、もし企業が解散した時、株価に対して割安か割高かを判断できます。

PBRの基準は1倍がベースになります。
もし「PBR1.0倍」であれば、その企業の株価は資産価値と同等、つまり基準通りと言えます。
PBRが1倍を切ると割安、1倍を超えると割高と言われています。

つまりPBRが1倍に満たない企業であれば、その時点での株価は割安と判断することができます。

とはいえ、冒頭でも書いたように現実的にはそれだけで判断するのは危険です。
確かに「PBR0.8倍」といった企業であれば割安ですが、割安ということは他にも理由があるはずです。
仮に成長期が終わって安定期に入っているような企業であれば、割安かもしれませんが飛躍的な成長の期待感も薄いことを意味します。
つまり株価の大幅な上昇が見込みづらいとも言えます。

一方、PBRが2倍、3倍、あるいは10倍といった企業もたくさんあります。
特に東証マザーズなど新興市場や上場して間もない企業だとPBR30~40倍といった企業もザラです。

これは企業本来の資産価値に対して株価が高いことを意味します。
一見すると割高で危険なようにもみえますが、成長性や将来性がある企業であれば現在の株価でも十分に成長するから問題ない、という見解でPBRが高くなる傾向にあります。

成長している間は短い期間でも大幅な株価の上昇、それこそストップ高が起きるといった株価の上昇も見込めますので投資の価値があります。
とはいえ、もしも成長の見込みがない、弱いと判断されれば一気に売りが入って株価が急落するといったことも十分にあり得ます。

そういった意味でややリスクは高いといえますが、その分だけリターンの可能性もあります。

つまりPBRの高い低いだけで判断することはできない(するべきではない)ということです。

PER

PERとは株価収益率のことで「Price Earnings Ratio」の略称です。

PERも現在の株価の割安度(割高度)を判断する指標。
具体的には企業の利益に対して割高か割安かを判断する指標として活用されています。

PERの倍率もたいてい銘柄情報を見れば掲載されていますが、自分で計算することができます。

PER=株価÷1株あたりの純利益
※1株あたりの純利益=純利益÷発行株式数

PBRが資産に対しての割合だったのに対してPERは利益に対しての割合をみます。

PERは一般的に15倍以下なら割安と言われています。
つまりPERの数値が低い方が割安、高い方が割高となります。

とはいえ、PBRと同様にPERの数値だけで判断すべきではないので他の指標と組み合わせて活用するのが理想的です。

配当利回り

配当利回りとは文字通り配当金に対する利回りの割安、割高を判断する指標となります。
当然、配当金を実施している企業でないといけません。

配当利回りもたいてい銘柄情報を見れば掲載されていますが、自分で計算することができます。

配当利回り=1株あたりの配当金÷株価
配当利回りに関しては何パーセントが高い安いという明確な基準はありませんが、銀行預金の年間利回りがほんの0.001%くらいが一般的な時代です。
それに比べて株式投資の配当利回りであれば2~3%、企業によっては5%前後という場合もあります。
いかに中長期的に資産を増やすなら銀行にお金を預けておくだけより株式投資に回したほうが得策かということが分かります。

それはさておき、もちろん配当金を得るには中長期的に保有する必要があるので、その間の株価の変動には注意が必要です。
配当金といっても保有株数が少なければ年間で数千円程度にしかなりませんので、基本的にはインカムゲイン狙いのポートフォリオとして保有する場合が一般的。
理想的にはまず配当金は考えずにキャピタルゲイン(売却益)で資産を増やし、余剰資産を配当利回りの高い銘柄に投資することでインカムゲインも得るといった流れになります。

企業の収益効率をみる指標

次に企業の収益効率(収益性)を判断するための指標を2つピックアップします。

ROA

ROAとは総資本利益率(総資産利益率)のことで「Return On Assets」の略称です。
※以下、「資本」は「資産」言い替えることもできますが紛らわしいので「資本」に統一します。

企業の経営効率を測る指標のひとつで、企業が持つ資本を活用してどれだけ効率的に利益を出しているかの指標になります。

ROAのパーセンテージもたいてい銘柄情報を見れば掲載されていますが、自分で計算することができます。

ROA(%)=当期純利益÷総資本×100
基本的にはROAのパーセンテージが高い方が効率的に利益を出していると言えます。
企業が保有する資産に対して利益を出せている効率を計算しているからです。

一般的にはROA5%以上だと優良企業と言われています。

とはいえ、やはりROAも単体でみるのではなく他の指標との組み合わせが理想的です。

ROAの計算で用いられる「総資本」は必ずしも「自己資本」とは限りません。
例えば自己資本が少なく、借入金など外部から調達した他人資本が多く、他人資本を活用して多くの利益を出しているような場合もROAは高くなります。
あくまでも「総資本」に対する利益の割合であり、その「資本の中身が何か」までは判断できないということですね。

そう考えるとROAの数値だけでなく、次に紹介するROEや自己資本比率、負債の割合なども見たほうがいいと言えます。

ROE

ROEとは自己資本利益率のことで「Return on Equity」の略称です。

こちらも企業の経営効率を測る指標のひとつで、自己資本(純資産)に対してどれだけの利益を出しているかの指標になります。

ROEのパーセンテージもたいてい銘柄情報を見れば掲載されていますが、自分で計算することができます。

ROE(%)=当期純利益÷自己資本×100
こちらも基本的にはROEのパーセンテージが高い方が効率的に利益を出していると言えます。
更にROEの場合は「自己資本」に対する収益性なので、より自己資本を効率的に利益に変えられているかが分かります。

一般的にはROE10~20%程度だと優良企業と言われています。

このようにROEとROAは資本に対する収益性を算出しているので似通っていますが、大元の「資本」の対象が総資本なのか自己資本なのかという違いがあります。

そういった意味で他人資本も含む可能性があるROAよりもROE(自己資本利益率)を重視したほうが「その企業自身の資本で効率的に収益を出せているか」が判断できるのでROEに重きをおく考え方もあります。

この辺りはまさに投資家それぞれの考え方の違いにもなるので一概には言えませんが、私自身はROEを重視する考え方の一人です。

一般論に踊らされず確固たる持論を

今回ピックアップした指標の中で「一般的には」と記載した部分があります。

一般的な基準
PBR:1倍以下なら割安
PER:15倍以下なら割安
ROA:5%以上なら優良企業
ROE:10~15%で優良企業

とはいえ、こうした指標に全て該当するから必ずしも儲かるとは限りません。

こうした指標は判断材料の一部として頭の中に入れておき、実際には他の指標や事業内容、あるいは代表者の人となりなど様々な要素を加味して投資先の企業を選ぶことになります。

私自身もまだまだですが、1つでも多くの引き出しを持っておいて損することはありません

書籍やこうしたブログ、SNSなど情報過多の時代で一般論に踊らされず、自分自身の経験と知識を積み重ねて確固たる持論、言い替えれば投資スタイルを確立するのが賢明だと考えています。

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