関通(9326)がMSワラントによる資金調達で急落・MSワラントとは?

新型コロナウイルスの影響によってEC(電子商取引)の需要が高まっている傾向にあります。
こうした需要増を受けてEC業界の物流を担っているのが関通(9326)
Eコマースを展開する顧客企業の配送センター代行業務などを手掛けている企業です。

以前から注目している企業で、7月末~8月にかけて一度取引したことがありました。

その時の売買取引結果がこちら。

7月31日に2,440円(100株)で買付約定して、8月21日に3,150円(100株)で売付約定に成功。

70,425円の売却益を得ることができました。

それ以降はマークしつつも取引はせず静観していましたが、10月22日に動きがあったためエントリー。
結論から言うとこれが大失敗に終わって損切りしました。

取引の内容は10月22日に3,250円(100株)で買付約定しましたが、そこから株価は下落し続け、翌日の10月23日には2,880円(100株)で損切り。

結果として37,575円の損失となりました。

今回は後者の取引に関する反省をするべく、原因を振り返っていきます。

損失要因1:資金調達

まずは損失となった要因の1つ目。

これは今回の関通(9326)が行なった資金調達にあります。

私がエントリーした10月22日、関通(9326)は第三者割当で3710個(潜在株式数37万1000株)の新株予約権を発行すると発表しました。
割当日は11月6日。調達資金は14.47億円で、物流センターの新設(7.47億円)や物流ロボットの導入(4.00億円)、ソフトウエアの開発(3.00億円)に充当するとのこと。

一般的に企業が資金調達をするのは決して悪いことばかりではありませんが、今回は2つのポイントがあったと考察しています。

1つは上場して間もないタイミングで再び資金調達を行なったこと。
そしてもう1つがMSワラントを発行したことだと考えています。

上場して間もない資金調達

関通(9326)が上場したのは2020年3月。つまり今年です。

企業が上場する最大の理由は市場からの資金調達。
上場してわずか半年あまりでの資金調達は株主にとって良い印象は与えません。

MSワラント発行

更に投資家が嫌気を指したのがMSワラントを発行したこと。
これについては次に詳しくまとめていきたいと思います。

損失要因2:無知とルール無視

次に損失となった要因は当然のことながら私自身にあります。

言ってしまえば無知とマイルールの無視です。

そもそもこのタイミングで関通(9326)をエントリーする気はありませんでした。
しかし資金調達の話題が入ってきたことで株価上昇を期待してエントリー。
結果として大きな損失を招いてしまいました。

更にこの「株価上昇を期待」はまさしく無知。
後述するMSワラント発行が株式投資にとってマイナス材料であることを知っていればエントリーすることはなかったでしょう。

こうした要因が重なって私が描いたシナリオは一瞬で崩壊。
翌日にすぐ損切りした行動力がせめてもの救いと自分を慰めるのが精一杯です。

MSワラントとは?

今回の失敗を踏まえ、まず何と言ってもMSワラントについて知らかなったことが最大の要因となりました。

同じ失敗を繰り返さないためにもMSワラントについてまとめていきたいと思います。
恥ずかしい限りですが、私はこのMSワラントを今回の失敗をするまで知りませんでした。

MSワラントの仕組み

MSワラントとは、正式名称を「行使価額修正条項付新株予約権(Moving Strike Warrant)」というそうです。

MSワラントには通常のワラント(新株予約権)と今回のMSワラントの2種類があります。

ワラント(新株予約権)とは、ワラント(新株予約権)を発行した企業の株式を一定期間内に一定の価格(行使価額)で購入できる権利のこと。

一般的に市場で株式取引されている株価は常に動きますが、ワラント(新株予約権)は一定期間内であれば一定の価格で購入できるのです。

A社
ワラント1個50円で購入
行使期間2020年1月1日~2020年12月31日
行使価格100円
この条件だったとして、2020年1月現在、A社の株式を1株欲しいと考え、株価が300円だった場合、ワラント1個を行使することでA社の株式1株を100円で購入することができるのです。

行使価額と株価の差である200円から、ワラント料の50円を差し引いた「150円」が利益となります。
もしワラントを持っていない場合は一般的な投資家と同様、株式市場で株価300円で購入する必要があります。

もし株価が低い水準の場合は行使する必要は無く、もしそのまま執行した場合は1個50円で購入したワラント料が損失になります。

上記が通常のワラントの仕組みとなります。

一方、MSワラントとは通常のワラントに行使価額が上下する(多くは下方にのみ)設計が加えられたものだそうです。

先ほどの例の場合、行使価額が100円から80円に引き下げられる、といった修正が起こり得ます。
この場合、ワラントを持っている投資家はより安く株式を買える可能性が高まるため、利益を得やすくなります。

MSワラントの特長

企業が公募増資を行う場合、新株式を一度に多数発行して一定の資金を調達します。

公募増資の場合は新株式が発行されることで、それまで株式を保有していた投資家の議決権比率は即座に低下(株式の希薄化)します。

これによって一時的に投資家には迷惑をかけることになりますが、事業拡大などに必要な資金を一定額、一度に調達できるため安定した資金調達を実現できます。

一方、MSワラントの場合は行使されるタイミングにバラつきが出ること、そして行使価格も変動することから非常に不安定な資金調達であると言えます。

MSワラントの注意点

例えば行使価格が引き下げられたときに権利が立て続けに行使されると企業としては新株式が安い価格で大量発行されることになります。

つまり投資家にとっては安く買えてよいかもしれませんが、本来の目的である資金調達としては企業が思い描いた資金額が調達できなくなる可能性も秘めています。

こうした注意点、デメリットを踏まえると業績が安定しており財務が健全な企業がわざわざMSワラントを発行することはしません。

逆に言えば業績が悪かったり、財務の安全性が低い企業が公募増資や銀行融資による資金調達ができず、やむなくMSワラントに頼るというシナリオが考えられるのです。

関通(9326)の見通し

このようにMSワラントは一言で言うと「苦し紛れの資金調達」と言っても過言ではないのかもしれません。

だからこそ、今回の一報を受けて株価は急落したわけです。
よほどの理由や根拠が無い限りMSワラントを発行した企業の株を購入するのは危険であり、愚の骨頂。
それを私はやってしまったということです。

最後に私なりの見解による関通(9326)の見通しですが、事業そのものは成長性、安定性があるものだと考えています。
EC業界はしばらく好調が続きそうですし、新型コロナウイルスが落ち着いてECの需要が落ち着いたとしても今後中長期的にみて成長市場であることが考えられます。

私自身、自分の事業でECや物流に関わっていることからも分かりますが、物流サービスは成長できる見込みがあります。
しかし、残念ながら花形?の業界ではないため株式市場で考えると地味で目立ちにくい分野と言えます。

今回の一件でだいぶと株価を下げ、今後以前のような株価に戻ることは考えにくいかもしれません。

そういった意味で物凄い成長株ではないものの、下落が落ち着いたら保有してもいい企業だと考えています。
ただし私はしばらく買う気にはなれません(笑)

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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